満映とわたし

作者は、岸富美子さん、石井妙子さん
出版は、文藝春秋です
やっぱり戦争は悲惨です
人と人とに不信感を生みます
満映のこと、その後の中国での映画活動のこと色々と書かれていますが、やはり悲しいです

岸さんは、昨年亡くなった原節子さん、山口淑子さんと同い年
女優さんではなくて満映の編集者です
満州国は確かに日本の傀儡政権ですが、たくさんの日本人がそこを新天地と思って移住していったのも事実
多分甘粕理事長もそうだし、本に出てくる共産党の人たちもそう
そんな人でも受け入れる度量は持っていたんです
ですので岸さんも女性でありながら編集者になれたんでしょう
しかい敗戦後は、日本人による日本人の選別
その結果は、日本人の間にできる溝と不信感
本来取り残され者同士が一致団結となるはずが、現実にはそんなことはできるはずもない
そしてやっと帰ってきた日本ではアカ扱い
大手映画会社では働く口もありません
その映画会社にいるのかかって一緒に働いた満映の仲間
こんなことは二度とあってはなりません