アメリカ感情旅行

作者は、安岡章太郎さん

出版は、岩波書店です
読んだのは「安岡章太郎随筆全集」二巻に所収のものです
アメリカを訪れたのが1960年
バン様の生まれた年のアメリカはまだこんなアメリカだったんです

8年後のベトナム戦争時代の訪問記はまだわかります
でも60年のアメリカがこんな風とは
南部を訪れたからかもしれませんが、黒人差別がこんなに残っていたとは
学校で習うのは、南北戦争で北軍が勝って奴隷は解放される、めでたしめでたし
ところが解放されたからかえって差別が生まれたような気もします
分離されていたものが一緒になる
でも一緒にいるのがたまらなく嫌
何かの理由をつけて排斥しようとする
肌の色、宗教などなど
自由の国アメリカの隠したい部分
今でも映画を観ると、黒人の主人公には黒人の彼女
黒人の主人公に白人の彼女というのは観た覚えがありません
水泳選手がいないのも不思議な感じがします
大リーグやバスケットなどあんなに黒人選手がいるのに
日本の部落問題とよく比較されましたが、こちらは見た目で判断できません
でも黒人は見ればわかります
隠すのがいいわけではありませんが、この問題の根深さは見た目でわかることなんです