苦界浄土 わが水俣病

作者は、石牟礼道子さん
出版は、講談社です
何と言えばいいのでしょう
高度成長時代の日本はこんなありさまでした

いま日本の人たちの活動を結構非難します
でも日本もほとんど同じようなことをやって来ました
高度成長期は戦後ということもあり、今の中国のように領土に関する動きはしませんでした
でも経済的にはほとんど同じです
進んだ国から援助を受け、それを見事なまでに真似をして更に品質のいいものを生み出す
環境なんてものにはお金はかけない
それよりは経済成長を優先する
尼崎に引っ越した時に乗った阪神電車で臭いをかいだ左門渡川の悪臭
小学校時代に頻繁に発令された光化学スモックの警報
そんな中で生まれた公害病
この本に書かれているのはその中でも一番有名な水俣病
今のコロナでもかかった人が謝ってますが、同じことをこの時代の人もしています
責任はないのも関わらず
家族に迷惑をかけた、こんな病気で周りの人が他の地区の人から悪く言われるのは自分の責任、せっかく町を発展させた会社に迷惑をかけた
そして平気で悪口を言う人たち、会社の利益を損ねたと文句を言う会社の従業員
謝り続ける人たち
原因がわからず大学病院で解剖される姿を、漁師である人たちはさばかれる魚にたとえる
テレビなどでも報道され、この病気のことは知っていました
フィルムに収められた酔っぱらいのように歩く猫の姿
それで知った気にもなっていました
大学のひとつ上に水俣出身の人がいました
その人の自己紹介を聞いたときに最初に思ったのはこの人は普通なの
本当にひどいことです
水俣の人はみんなが水俣病だと思い込んでいる無知さ
昭和43年が初版だと思われるこの本を何でもっと早く読まなかったのか
でもまだ出会えてよかった