歩道橋の魔術師

作者は、呉明益
出版は、白水社
不思議な作品
このどんよりとした雰囲気は好きです
アジアの作家ですよね

台湾の台北が舞台の連作集
魔術師はどの作品でも登場します
子どもたちの目で見た日常世
些細なことなのに気になってしまうあのこと
そして作品から漂うカラッと晴れ渡っていない空
これほど陽の光が似合わない作品もないのでは
それでいてどんどん引き込まれていく文章の力
こんな作品を書く日本の作家はいないのでは
連作だから一つの作品が短くて通勤で読むには最適
自分の小学校時代を思い出したくなる
でも思い出せないのが現実
鮮烈に蘇るのは中学時代から
思い出せない時代が最高の時代かもしれないです