俘虜記

作者は、大岡昇平さん
出版は、新潮社です
やはりこういう本も読んでおかなければならないなあと思ったり
戦争を知らない人ばかりになった日本では

第二次世界大戦中の軍隊では俘虜になることは恥ずべきこと
俘虜になるぐらいなら自決しろと教えられていたはず
アメリカなどでは捕虜になったら脱獄などで相手を混乱させて敵の兵力を割けなどと
大脱走』などその典型の映画
でも日本では恥ずべきことで死ねだった
恐ろしい教え
こういう考えだと神風特攻隊だとか人間魚雷なる戦略が生まれる
でも多くの兵士が俘虜となっている
そして身元を隠すためにほかの名字を騙って
そのために戦犯に問われたなどあまりも惨めな悲劇
飲まず食わずで病気になりながら戦った俘虜たち
目にしたのは豊かな食と看護
そして飛び立つ戦闘機に多数の軍艦
根性論と神風に頼って戦争に勝てるはずもない
そして解放された時に渡されたお金
それは手当てに作業に対する賃金
驚くべき寛容さ
国際法上は当然とはいえ、日本の兵士が知っていたとは思えない
敗戦でなく終戦、占領軍でなく進駐軍であることを見破っていた眼識
認識できなければ反省など生まれない
もう一度考えてみないと