人間をみつめて 神谷美恵子コレクション

作者は、神谷美恵子さん
出版は、みすず書房です
以前読んだ本でハンセン病の隔離病棟があった島が紹介されてました
そこに登場していたのが神谷美恵子さん

精神医学者でハンセン病患者の心のケアを行ったお方です
社会から差別を受けていたハンセン病患者が集められた療養施設
その中でも結核患者や精神疾患の患者にはさらに差別が加えられていた
差別は他人が自分より劣っておると思うことから生まれる感情
さげすまれた人がさらにさげすまれた人を見ることで奇妙な優越感が生まれる
それはまたいわれのないもの
ある一面で劣っているからといって全てが劣っているわけではない
そんな簡単なことはなかなか理解できても実践できないもの
それを実践したのが神谷恵美子さん
今となっては治療法も変わり彼女を批判する人もいるようだし、光田園長の隔離政策を憎みまでする人たちもいるようです
でもその時代に最良と思い信念をもって実行していたのは確かな事実
今も人数が減ったとはいえ島の治療施設に住み人がいる
平均年齢は85歳を超え、この人たちが亡くなればやがて施設は閉鎖
そして差別の実態は風化していくはず
風化すれば差別がなくなったと思うのは大きな勘違い
よーく考えないと