タワーリング・インフェルノ

監督は、ジョン・ギラーミン
出演は、ポール・ニューマンスティーブ・マックイーン
公開は、1975年6月
3時間近い大作ながらこちらの映画も退屈させません
パニック映画なのに実に奥が深い

不思議と悪人が出てこないんです
悪人と呼べるのはウィリアム・ホールデンさん演じるビルのオーナーの孫の婿だけ
こやつが建築費を浮かせるために設計通りの資材を使わなかったからこの大惨事が起こった
その上、人を押しのけて逃げようとするどうしようもない奴
でも悪人は本当にこの人だけ
最近の映画なら悪人になることの多い上院議員も市長もとっても良い人
上院議員を演じているのは大好きなロバート・ヴォーンさん
孫の婿の暴挙を止めようとして死んでしまう薄命さも持ち味です
そしてパーティー会場に取り残された人たちもパニックを起こさず、責任を大声で問うようなこともなく整然と行動する本当にいい人ばかり
それでいてそれぞれの人生をハッピーエンドで終わらせないハートフルな冷たさ
フレッド・アステアさん演じる詐欺師と友人の子どもの面倒をみている夫人とのはかない恋
災害だけにスポットを当てずにそこにある人間模様を見事に描写
名作ってこういう作品のことですよね
スティーブ・マックイーンさんて50で亡くなっているんですね
本当にこれは残念