作者は、コルソン・ホワイトヘッド
出版は、早川書房
『悪人伝記』というドラマは普通の人がどんどん悪人になっていく姿がとても衝撃的な作品だったのですが、この小説も同じような流れで面白い
確かに素養のあった人ですが、どんどんと深みにはまっていく
素養というのは父親も裏社会の人でもあったから
だからその父親の息子と言えばなぜか納得されてしまう
そして時代的には黒人差別が今よりも激しかった時代
結束しなければ飲み込まれてしまうという恐怖もあった
そして黒人社会の中でも階級は存在した
主人公はある黒人クラブに入ろうとして賄賂も贈るのにかなえられなかった
妻の父親はそのクラブの重鎮であるけれど彼を見下している
その屈辱と復讐心
いろんなものが絡み合っている彼の元に現れる従兄弟の存在
いつまでたっても裏の社会で悪事を働き続けている
そして窮地に陥ると頼るのはこの主人公
従兄弟を助けるたびに主人公は裏の社会の仕事に足をどっぷりと入れていく
ただ従兄弟の仕事に手を貸すたびに主人公の生活はよくなっていくのも事実
本業の家具店は順調で、住まいはどんどんいい環境になっていく
最後の仕事での従兄弟の死に対しても彼は冷静
誰でもが悪人の素質を持っていると思わせる小説です