徳川頼貞侯の横顔

作者は、喜多村進さん
出版は、中央公論新社です
徳川さまと言ってもご本家ではなくて紀伊徳川家の御曹司
作者はバン様と同じ司書の方

といっても大先輩で、今やこんな司書は皆無ではないでしょうか
でもこんな風に仕事ができたならば最高でないでしょうか
でも南葵文庫の処遇については大変ご不満もあったようですが、ただお殿様の言うことには従うのが正しい仕事の仕方だった時代、やむを得ない
何でこの本を知ったかというとどうやら紀伊徳川家は見事に没落
バン様の働き場所である名古屋の尾張徳川家などは徳川林政史研究所徳川美術館を運営するなど威厳を保ち続けているのとは大違い
どうやら見事にお家を傾かせたのはこの頼貞さん
パトロンとして文化活動を援助すると同時に本人も浪費家
湯水のようにお金を使いどうしようもない状態にまでお家を追い込んでしまった
そんな人物の伝記なら面白いはずと思ったけれど、残念ながら文学と音楽を愛する愛すべきお殿様として描かれているだけでした
確かにこの時代の方がお仕えしたご主人の生涯を悪く書き残すはずはない
でも南葵文庫という私設の素晴らしい図書館を教えてもらえたのは収穫かも