放浪記

作者は、林芙美子さん
出版は、新潮社です
新潮社ですが読んだのは青空文庫キンドル版ですのであしからず
明治にこの生き方の女性とは恐れ入ります

貧困という言葉が実に似合う物語
放浪というより貧乏物語ですよ
ちょっと困ったのはかなり詩が挿入されていること
国語の授業の時から詩が苦手でその良さがさっぱりわからない
だから詩が出てくるとそこで物語がポツリと途切れてしまう
苦手ならば読まなきゃいいのですが、そこは律儀に活字を目で追ってしまう
ただこれだけお金に苦労しても不思議と身を売らないのが意志の強さなんでしょうか
何度もそれらしい表現がありながら踏みとどまっている
それとお金に困っていても本は古本ながら必ず買って読み漁っている
悲観し悲嘆にくれながらちゃんと文章を書き続けている
どれだけ住む場所をかえ、どれだけ職業を転々としてもですよ
何でここまで書き続けるのかは凡人にはわからない
そして嫌だ嫌だと言いながらついて回る甲斐性のない母親と養父
切っても切れない関係ながら切ってしまいたい
そんなことを思ってしまう作品でしたね