作者は、城内康伸さん
出版は、新潮社です
この本もやっぱり悲惨な戦争の記録です
敗戦とともに外地に取り残された人々
とりわけ悲惨だったのが北朝鮮に取り残された人々
元々北朝鮮に住んでいた人たちだけではなく、満洲から多くの日本人が流れてきた
ところが韓国を占領したアメリカと違って北朝鮮を占領したソ連は日本人の帰国事業には消極的だった
日本に帰るには北朝鮮を逃れて韓国に行くしかない
そこに現れるのがこの本の主人公の松村義士男さん
日本ではアカと言われ、監獄にも収監されていた人物
それがソ連に占領された北朝鮮では吉と出る
共産主義の北朝鮮・ソ連では彼の経歴は自分たちの味方に見えたのかもしれない
このパイプを利用して正式ではないながら北朝鮮・ソ連に日本人の韓国脱出を黙認させ、なんと6万人近い日本人の北朝鮮脱出に関係した
列車をしたて、船を用意し、日本人を韓国まで連れていく
必要とあらば自らが借金をし、多くの日本人を送り届けた男
しかし、帰国した彼を待ち受けていたのは借金取りの取り立て
自分の行った行為を誰にひけらかすことなく消えていった松村義士男さん
やはり普通の人たちが多くの犠牲を強いられるのが戦争ということを切実に訴えるこの本
やっぱり戦争はよくないですよ