ワシントン・ハイツ

作者は、秋尾沙戸子さん
出版は、新潮社です
日本の中のアメリ
すぐに思い浮かぶのは米軍基地
しかし、占領時代には今よりたくさんの占領軍施設が日本にありました

自分たちの生活する場のすぐお隣に占領軍施設
今沖縄の人たちが感じるものと同じものが日本中にあったはずです
嫌悪感や憧れ
距離を置く人、近づこうとする人、無理やり取り込まれた人
これは代々木にあったワシントン・ハイツのお話ですが、それがつくられるきっかけとなった占領や戦争について考えさせられます
本に登場するジャニー喜多川さんや日野皓正さん
近づくことでアメリカに触れ、自分の進む道を見つけていきます
占領軍としてワシントン・ハイツに住んだ日系の兵士
開戦と同時に住む場所や財産を奪われ、同じアメリカ人と証明する手段は兵士としてアメリカ軍に参加することだけ
日本に対する愛情などないような話し方ですが、本当はどうなんでしょうか
アメリカで生き残るにはこの方法しかなかった
そして敵国日本に対する愛情など示してはいけないのが戦争というもの
それが余計に悲しい
もうひとつ、日本は占領されていたという意識が希薄なことも感じます
間接統治がうまくいったのはいいが、占領された、敗戦だったという感情を日本人は持たなかった
それが今の日本の政治に反映されている気がして恐ろしい気もします