戦前昭和の猟奇事件

作者は、小池新さん
出版は、文藝春秋です
うーん、犯罪に良い悪いはなくて悪いのはわかっているのですが考えてしまいます
この本の最悪事件は捕虜の人肉食事件

戦争は人間を狂気に向かわせるとはよく言ったものです
本来捕虜は国際的取り決めがあって手厚くとは言いませんがちゃんと人道的に取り扱われるもの
ただ実際には現場の責任者の思うがまま
この事件でも父島の最高責任者が率先して人肉を食べることを強要している
確かに戦争をしている相手国の兵士
憎む気持ちが起こるのは、この事件のように戦争末期の敗戦濃厚な時代ならなおさら
でも超えてはならない一線はあるはず
今の時代でも戦闘員以外を巻き込んだ爆撃は日常茶飯事
非難されても知らぬ顔で必要な作戦だったと
この本で取り上げられたほかの事件が個人の行った事件だからこの事件の組織としての犯罪が際立ってしまう
ほかの事件では言い方が悪いけど同情するような事件も取り上げられている
作者は疾走感や爽快さなどと仰っているが読んでいてもそれがわかる
だから人間の感情は怖いなどとも思ってしまう