姿三四郎

作者は、富田常雄さん
kindle版です
日本文学歴史時代小説文庫などと記載されてるのですが元出版社は不明です
しかし1500ページを超えながらこの面白さには恐れ入ります

大河小説の時代劇にも通じる面白さ
武道の道と恋の道の二本立てです
不器用ですからは高倉健さんの十八番ですが姿三四郎も実に不器用
それでいて武道の道を進む姿は求道者
次から次へと現れる挑戦者を退ける姿は柔道を究める男の姿
対戦する相手は柔道だけでなくボクシングに空手と相手を選ばない
ひょっとしてアントニオ猪木さんは姿三四郎を真似たのでは疑ってしまう
そして恋の道は奥手の一言
それでいてモテモテなのは女性に男を見る目があるから
もう少しで恋がかないそうなところで最愛の人を失う悲劇も実に悲しい
最後の決闘の悲劇的な結末も実に悲しい
それまでのドキドキするような展開から最後での静かなエンディング
そして姿三四郎はどこへ行ってしまうのかとの余韻の残し方
こんな作品を書き上げた作家はどうすればいいのかと勝手に思ったら、その後も売れっ子作家
ほかの作品は読んでないけど最高傑作はこの作品だと思いますよ