ストロベリー・ロード

作者は、石川好さん
出版は、早川書房です
移民でもなければ、今のような留学でもない
それだからこそ見れたアメリカの姿
こういう勇気がないんですよね

伊豆大島からカリフォルニアへ
高校を卒業して兄を頼っての留学
時は60年代で今の留学とは全く違う
もちろん渡航は飛行機じゃなくて船
それを南米へ移民で向かう人たちを乗せた船がアメリカに寄港するもの
貧しい日本を出て新天地での成功を夢見る人たち
ある意味戦時中の満州移住と同じ
確かに農地を手にして成功した人はいるけれど大半の人は小作人のまま
その間に日本は高度成長時代を迎え、国を出た人たちは取り残されていく
主人公の兄は自分の農地を手に入れ、白人の女性を妻にする成功者
そこで学校に通い、農場を手伝う生活の中で鋭くアメリカを見ていく
労働力の確保のために密入国者を大目に見るアメリ
その土地は彼らの国であるメキシコから買い取った土地
そして彼らがいなければ農作物は育て上げれない
アメリカ人として認められるためにベトナム戦争へ向かう日系人
ブラックパワーを横目で見ながら戦争中の差別には目をつぶる
日本から米兵の妻として海を渡った女性たち
領土を奪うためでなく正義という観念のために戦争をするアメリ
確かにすごい体験で、この観察眼にも脱帽
そして本の面白さにも没入
でも本だけの体験ではいけないんでしょうね
本当に自分で体験しなければわからないことが文章以外にもあったはず