かたばみ

作者は、木内昇さん
出版は、角川書店です
こりゃ感動の大作ですよ
戦争、親子、胸が締め付けられるような物語です

あちこちで大きな戦闘が繰り返される昨今
誰しもが早く終わってほしいと思うのに出口が見えない今の情勢
戦中から戦後を描いたこの作品を読むと結局大きな犠牲を払ったのは一般の人たち
そして良心を持ったがために自分のことを責め続ける人たち
やっぱり今の日本ってどこかおかしい気がします
あれほどの戦争を仕掛けて返り討ちにあっているのに大国の意向に追従してるのですから
本当敗戦国として戦争の悲惨さを訴え、戦争解決の仲介をするべき国なのに大国の後ろに隠れているだけ
この作品でも生徒をアメリカ軍の空襲で亡くしたことを忘れず、責め続けそして二度と繰り返さないと誓う先生の姿
そしてその対比で戦中は軍に、戦後はアメリカ軍に追従し続ける教頭の姿
誰が見ても本当に人間としてあるべき姿かは自明
夫を亡くし、大事な子どもを家の都合で養子に出す女性
そしてその子どもを養子として迎える女性とその家族
久しぶりに本を読みながら泣いてしまったこの作品
まだこういう作品を書ける人がいるなんて日本も捨てたもんじゃない
こんなじいさんだけでなくて若い人にも読んでもらいたい作品ですね